「フランケン・ふらん」「名探偵マーニー」「兄妹」など、ちょっと怖い目の漫画を描かれる木々津克久さん。新作のテーマはずばり「怪談」。
メガネ少女が臆病な少年を怪談話で怖がらせる、「開田さんの怪談」を読みました。「開田さん」は「かいださん」です。
概要
「開田さんの怪談」は、週刊少年チャンピオン連載の漫画。各話、一話完結です。
登場人物は基本的に二人。メガネで姫カット、美人で成績優秀な開田さんと、彼女の隣に座る、ちょっと臆病な少年・生瀬くん。
生瀬くんは開田さんのことが気になって、いつも彼女に話しかけようとします。しかしいつも開田さんのペースに巻き込まれ、知らず知らずの内に怪談話を聞かされるハメに。
「では、お耳拝借。それがですねえ…」
から始まる怪談話は、どれもショッキングなものばかり。
そして話の最後には、開田さんが仕掛けたドッキリがあり、生瀬くんが悶絶。
開田さんはそんな彼をうっとりと眺めながら、興奮のあまり鼻血を出して悦に浸る、という流れです。
感想
少年少女向けの、ライトでブラックな話に定評のある木々津克久さん。本作「開田さんの怪談」でも、その魅力がいかんなく発揮されてます。
怖い話が実際に劇中で起こるものではなく、一見マジメ、中身はちょっとサディスティック(?)な開田さんの口から語られるもの、という形式がおもしろい。
怖い話が大の苦手な生瀬くん。年頃の少年らしく、美少女・開田さんに興味津々。しかし気づくといつも彼女のペースにのせられ、怖い話を聞かされるハメに。
- ジャングルで生き延びるために、巨大カタツムリを食べた青年の行く末
- 夢で何度も同じ男を見る女子大生の末路
- 着たら死ぬ、と噂される人食い着グルミの正体
- 入居者が半年以内に死ぬマンションに住民が住む理由
などなど、オリジナルながら「いかにもありそう」な怪談話。読んでいてゾクゾクします。
また劇中で、怪談話が文字中心で描かれる、という形式がユニーク。
最初は「漫画なのになんで文字?」と思ったのですが、慣れてくると、なんだか開田さんの口から本当に怪談話を聞いているような感じに。
最後はちょっとショッキングなオチ。そしてお約束で悶絶する生瀬くんが、少し可愛そう(笑)。
そんな少女と少年の、怪談を挟んだコミュニケーション。怖さとコミカルさがいいバランスで展開され、「次はどんな話が待っているのか?」とつい気になってしまう漫画でした。
まとめ
以上、木々津克久さんの「開田さんの怪談」の感想でした。読んでいると怪談話と、二人の関係が気になってくる漫画です。
単行本は「1巻」とは書かれていないのですが、どうやらチャンピオン誌での連載は続いているよう。2巻も出るのかな?楽しみです。
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