【感想】「恋は雨上がりのように」1巻-冴えない中年男に惚れた女子高生の恋の行方。

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小学館「月刊!スピリッツ」連載、眉月じゅん「恋は雨上がりのように」の第一巻を読みました。

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あらすじ

黒髪ロングのクールビューティー、女子高生「橘あきら」。足のケガで陸上部としての活動を断念した彼女は、現在ファミレス「ガーデン」でアルバイト中。店長は10円ハゲ、チャック前回、バツイチ、アルバイトにも怒られる、冴えない中年の代表格のような近藤正巳・45歳。しかしあきらはそんな近藤に密かに思いを寄せて-。

感想

女子高生が中年男性に恋をする顛末が描かれる、なんともせつないメロドラマのようなマンガ。掲載誌は男性向けですが、作者が女性(ですよね?)ということもあって、男性が喜ぶような展開のマンガではなく、純粋に一人の若き女性の恋模様にやきもき。私は性別や年代ではファミレス店長・近藤の立場ですが、彼に感情移入するというよりは、あきらの何とも言えない恋心に心のツボを刺激されます。

近藤は本当によくある「ファミレスのサラリーマン店長」。独身(バツイチ)、子持ち、昇進の見込みなし、後頭部の10円ハゲ、加齢臭の気になるお年ごろ、とステレオタイプの中年男性。所用であきらと他店に入った時に、ドリンクバーの陳列が気になる描写があるように職務にはいたってマジメですが、比較的年代の若い従業員とのコミュニケーションに悩んだりもします。

そんな近藤を好意からじっと見つめるあきら。しかしそれを「ゴミでもみるような目」と解釈してしまう近藤。自分の思いを素直に表に出せない彼女と、よもや女子高生が自分に好意を抱くはずもなく、自身も恋愛対象として彼女を見ていない、そんな二人の心のすれ違い。読めば読むほど味わい深い。

あきら自身も少し変わった女の子。同性の友人は多いが、学校のイケメンや同級生には全く興味を示さず、キャラクターの趣味も少し変わっている。怪我(おそらくアキレス腱断裂)のためあきらめた陸上の道。同級生や後輩の活躍を応援しつつも複雑な気持ちを抱く。思春期まっただ中の彼女の思いと、そんな彼女がなぜ近藤に惹かれたのか、がこの1巻で丁寧に描かれます。

この一巻では丁寧にあきらの思いと心の揺れ動き、そして彼女と近藤のややユーモラスとも言えるふれあいが描かれていますが、それも本巻終盤に大きく動き-?「女子高生と中年男性の恋愛」と、どう転んでも締め方の難しそうなテーマを描いたこの「恋は雨上がりのように」。続きが気になる一作です。

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