【感想】「聲の形」1巻-かつていじめた相手との再会。

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大今良時氏の「聲の形(こえのかたち)」第一巻の感想です。2013年11月に単行本化された本作。元々は別冊少年マガジンに掲載された読み切りでしたが、後に設定を引き継いだ本作が連載されました。いじめや障害に正面から取り組んだことで話題になりました。全7巻、完結済みの作品です。

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あらすじ

主人公・石田将也は小学6年生。毎日が退屈との戦いである彼のクラスに、転校生・西宮硝子がやってくる。

聴覚障害者である彼女は、クラスメートと筆談をすることでコミュニケーションを図ろうとする。そんな彼女を将也は「奇異な存在」としてからかいのターゲットに認定、クラスメイトと共に硝子に対して執拗ないやがらせを繰り返す。しかし硝子の親からのクレームが学校に入ると一転、クラスメイトは将也に責任を押し付け、今度は彼がいじめの対象に…。

感想

この「聲の形」、「いじめ」と「障害」というセンシティブな問題に正面から取り組んだ、大変意欲的な作品です。正直、この1巻のいじめ描写はいじめ未経験者から見ても非常に息苦しい、読み返すのが辛くなるような内容。しかしそれは現実に起こりうる、または起こっていること。これを人気のある週刊少年誌で連載し、多くの目に触れさせたということは本当に意義のあることだと思います。またその中で描かれる子ども、いや大人も含めた人の残酷さ、身勝手さ。そのリアルさに見のすくむ思いです(我が身を振り返りつつも)。

今巻では物語の土台となる小学生時代が描かれますが、冒頭で高校3年生となった将也と転校していった硝子の再会が描かれています。自分の馬鹿のせいで苦しみ孤立、周囲から心を閉ざしていった将也は、硝子に合ってどうするのか?「いじめ加害者」と「いじめ被害者」が再び出会った時、何が起こるのか?私はこの1巻を読んで「この物語、どうやってケリをつけるんだろう?」という思いを率直に抱きました。

時々、いじめや社会問題を意図的に題材とした啓蒙的なマンガが少年誌に掲載されますが、本作は作者が自発的にそれらを題材とした意欲的な作品。インパクトのある物語です。これを読んで受ける印象は本当に人それぞれだと思いますが、読んでみる価値のあるマンガです。

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