【感想】「運命の女の子」ーバラエティに富んだオムニバス3編

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ヤマシタトモコ氏のオムニバス作品集「運命の女の子」を読みました。サイコ・サスペンス、青春、ファンタジーとバラエティ色あふれる三編を収録しています。

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あらすじ

16歳の少女・由里本美鳥を取り調べる女性刑事。家を燃やした時に感じた感覚を「無敵」と表現する少女。そして取り調べの進行とともにやがて明らかになる彼女の所業と狂気。刑事はやがて彼女に戦慄を覚えー。(「無敵」)

卒業式以来の再開をする男性と女性。お茶を飲みながら英語劇に熱中していた高校時代、そしてもう一人の同級生に思いを馳せる。(「きみはスター」)

16歳で発動する呪(スペル)の呪印が義務付けられた近未来の世界。スペルを受けた人々に異変が起こった時、日本でただ一人スペルを授からなかった女子高生は、世界を救えるかー?(「不呪姫と檻の塔」)

感想

ジャンルの違った3つの中編を収録した「運命の女の子」。作者のヤマシタトモコ氏は多くの短編作品や「BUTTER!!!」などの連載作品で人気の漫画家さん。どの作品もクオリティが高く、読み応えがあります。

「無敵」はサスペンス好きならばたまらない1編。カバー絵の黒髪の人物が問題の女性。物語序盤では一見普通の容貌ですが、話が進むにつれて次第にあらわになっていく狂気に思わずブルリ。短いページ数ながらリアルに描かれる「モンスター」、実に心理的な恐怖が楽しめます。

「きみはスター」は、ストレート、かつどこか屈折した少年少女達の恋愛模様、はたまた魂のぶつかり合い。こんな風に赤裸々に感情表現できるのも高校生の特権なのでしょうか。彼らが互いに対して抱く気持ち、どこかせつないものが。

「不呪姫と檻の塔」はヤマシタ氏としてはめずらしい(多分)ファンタジー作品。「呪を受けていない」少女。彼女の「一人だけ他人と違う」という劣等感、そしてその相方となる男子高校生の「呪」。これらの小道具が終盤でカッチリはまっていく、実におもしろい一作。

というわけでオムニバス作品集「運命の女の子」、ヤマシタトモコ氏の作品を既読の方には新鮮な感覚を、初めて作品に触れる方にはその確かな実力を、見事にみせつけてくれる漫画。オススメです。

「運命の女の子」の名言

星は落ちてこないから星なのだ と

「きみはスター」の男子高校生の心の声。憧れの誰か、はいつでも星なのか。星であり続けるのか。

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