「ファンタジー」―14歳と59歳の恋。超能力とサスペンスも添えて

この記事は約2分で読めます。

御徒町鳩さんの漫画「ファンタジー」を読みました。中年の男性に抱きつく艶めかしい雰囲気の女子がインパクトのある表紙。全1巻完結です。

スポンサーリンク

あらすじ

触れると人の心が読める14歳・風祭るみは、その能力ゆえに親に疎ましがられ、現在は警察の捜査に強力しながら生活をしている。そんな彼女のお目付け役は警察の窓際族・ジン(陣内)。やもめで孫までいるジンをるみは心の拠り所とし、想いをよせてゆく―。

感想

「おかちまちはと」、という変わったお名前を持つ作家さんの漫画。同氏の「堀居姉妹の五月」という作品が気になっていたのだけど、まだ電子版一巻が出ていない(分冊版はあるけど)。と、1巻完結で「ファンタジー」という漫画が出ているではないか、という経緯で読んだ作品。

感想としては、あらゆることが中途半端。謎の殺人事件、超能力を持つ子どもたち、幼く未熟な恋愛、と様々な要素がつめ込まれているのですが、どれも分離していてやや消化不良な感が。特殊能力を持つ少年少女の管理方法や、未成年が警察捜査に関わるといった、物語の根幹を形作る部分のディテールもあまい。全一巻分のボリュームなので、全てをまとめきるには無理があったような気がします。

が、この作品には魅力がある!確実にあります。ひとつは御徒町氏の描くキャラクターの「色気」。鼻筋の通った流麗な面立ちの彼らのアンニュイな表情が見るものを惹きつけます。そしてぎこちない恋愛の描き方。14歳と59歳、現実的に見ればちょっと引いてしまうような設定ですが、実にナチュラルな描写。少女もオッサンも頬を赤らめながら微妙な距離を取り、しかしそれがやがて少しずつ縮まってゆく…。あま~い!これが読めただけで結構な満足感がありました。他にも超能力の設定や、それを利用した警察捜査、そしてサイコな事件など個々の設定はおもしろいので、それらを長期的に描いていたならもっと人気のある作品になったのでは、と思わずにはいられません。

思うにやっぱり1巻で完結、というところに無理がある気がするので、もう少し焦点を絞って3~5巻ぐらいでリメイクしてくれないかな?るみの同級生の恋愛はカットして、るみとジンさんの二人の基本軸をしっかり。そこに謎の殺人事件が起こって、その謎を追う過程でに二人の関係性が変わっていく…みたいな。ありがち?でも結構いけるんじゃないかな。

御徒町鳩さんの「ファンタジー」、なかなか魅力のある作品でした。何より氏の描くキャラクターが実にいい。先述の「堀居姉妹の五月」も是非読んでみたい。興味のある方は氏の作品をまずは試し読みしてみては。きっとその魅力に惹かれると思いますよ。

コメント